認印に用いられる柘とは?
柘は、古くから認印の印材などに幅広く使われている日本の固有変種の植物です。
英語では柘一般を「common box」や「boxwood」と呼びます。
これは、古代ギリシャに存在したコリントスという地域に住んでいたコリント人が柘などの木材を使ってピュクシス(木箱)を作っていたのが語源と言われています。
また、産地によって様々な呼び方があり、セイヨウツゲは「European Box」、コーカサス地方のものは「Georgian Box」、日本のものは「Japanese Box」と呼ばれています。
中国では柘全般を漢字で「黄楊」と書きますが、これはタイワンアサマツゲなどのことを指し、日本の柘のことは「小葉黄楊」と表されます。
こうして日本の柘の海外での呼ばれ方を見てみると、柘は日本を代表する材木であり、外国でも親しまれていることがよくわかりますね。
柘の認印のメリット・デメリット
柘植の認印のメリットは、柘の材質がとても粘り気があるため、ハンコを押した際の印影が美しいということが挙げられます。
やはり印影が美しいというのは認印を選ぶ上で最も重要なポイントであると言えます。
また、柘の木は極めて成長が遅く、樹齢1000年といわれるものでも幹周は1.7mに留まるといいます。
しかし、その分目が詰まっているので硬度も高く、認印の中でも扱いやすい素材であると言えます。
柘の認印のデメリットは、水に弱いため保存時の湿度には十分に注意する必要があることです。
一定の湿度を保つ桐の箱に入れて保存することも一つの方法かと思います。
良質な柘を使用した認印は、日頃のお手入れを欠かさずに大事に使用することで長く愛用出来るので、使用頻度の高い認印の印材としておススメの素材です。
柘の認印の相場は?選び方は?
柘の認印は、人気の素材であるためどこのハンコ屋さんでも取扱いがあります。
最近では印鑑のネット販売も増えているので、検索してみると多くの商品を見ることが出来ます。
しかし、安価で質の悪い外国産の印材を使用している場合が多く見られるので、日本産の柘を取り扱っているお店を探して購入するのが最善と言えます。
価格は3000円からと、印鑑としてはとてもリーズナブルですが、掘り方などにもよって値段が変わりますので予算を決めてから選ぶのが良いでしょう。
柘は天然素材であるために1つ1つその木目や色の出方も違います。その見た目は木材ならではの柔らかさとぬくもりがあります。
1つ持っていると長く愛用できるものなので、色々なお店で見比べて自分だけのお気に入りの一本を見つけてみてはいかがでしょうか。