象牙は印鑑素材の中でも希少価値の高い高級素材として有名です。ワシントン条約締結後は販売店舗も減り、入手困難な印鑑です。
ここでは、象牙で作る印鑑の特徴についてメリットやデメリット、選び方についてご紹介します。
認印に用いられる象牙とは?
象牙は、印材の中でも特に高級な素材として知られています。
認印は書類や宅急便の受け取りなど、日々生活しているなかで頻繁に使用する印鑑です。自身のサインのように扱う日常生活で多様する印鑑なので、象牙のような品質のいい素材で長く使用したいと考える方も多いようですね。
その見た目の美しさにより長い間人気があり、高度経済成長期にはサラリーマンが増え、高額商品の分割払い購入が普及することで、象牙製の認印の需要が飛躍的に伸びました。
実に輸入された象牙消費の9割が印鑑に加工されていたのです。
現在ではワシントン条約により手に入りにくくはなりましたが、条約施行前や一時解禁時に日本国内に輸入された象牙が今でも加工されているほか、水牛の角やカバやセイウチの牙、またはロシアの永久凍土より掘り出されたマンモスの牙が代替品として利用されるなどしています。
象牙の認印のメリット・デメリット
認印に象牙を使用するメリットは、天然物の中でも黒水牛や牛角よりも乾燥等によるヒビ割れに強い印材であるということが挙げられます。
また、比較的お手入れがしやすく、汚れやほこり等を取る場合は乾いた布でふき取るか、水で洗って乾いた布でふき取り、直射日光を避けて日陰干しにすることで綺麗になります。
黄ばみを取りたい場合は、市販の台所用漂白剤を倍以上に薄めて数日浸しておくと綺麗になります(ただし、あまり白くしすぎるとかえって安っぽく見えてしまうので注意が必要)。
日常生活において認印はなくてはならないものですから、使いやすく見栄えがいいというのは認印を作る条件として重要ですよね。
デメリットは、乱獲や密猟などにより象牙自体の価値が高まり、入手困難になったことが挙げられます。
また、価格もほかの素材よりも高価なので、最高級品は手が出しづらいということが挙げられます。
象牙の認印はどこで手に入るの?選び方は?
象牙の認印は非常に人気があり、安価な部位を使用した認印であれば1万5千円~とお手頃な金額なので、比較的ネットショップなどでも手に入りやすいと言えます。
ただし象牙にはランクがあり、内側にいくほど目が細かく、色味も美しい白色になり希少価値が高まります。
その最高級部位を使用した認印は限られた業者からしか手に入らず、お値段も10万円を超えることが珍しくありません。
また、通常は象牙の繊維に沿って縦に印鑑を取りますが、芯を中心に横に取る日輪と呼ばれる印鑑は、木でいう年輪が何重もの丸の模様になって見えるため、縁起物として重宝されています。
縦にとる通常の印鑑と比べて7万円~と値が張るほか、やはり扱っている業者も少ないです。
しかし、模様が美しく非常に人気がありますし、天然もので柄の出方も違うため、自分好みの柄の認印を選べるのも楽しいですね。