シャチハタは使用するのに制限があります
シャチハタは、朱肉のいらないハンコで、文字はゴムに彫られており、ハンコの内部にインクを詰めて少しずつにじみ出る仕組みになっています。
柔らかいゴムを素材として使用しているため劣化しやすく、ゴムが傷ついて印影が変化する恐れがあります。
また、インクを補充しないまま使用すると、やがて印影が薄くなってくるので、ハンコを判読しにくくなります。
朱肉を使ってハンコを押すことが求められるケースは、婚姻届や不動産の売買、生命保険などの誓約書、金融機関での書類と様々な重要な場で求められます。
また、この考えを踏襲した官庁や多くの企業においても、シャチハタ以外の朱肉での印鑑の使用を求めています。
このように、多くの場合ではシャチハタを使用するのに制限があり、朱肉を使った印鑑が必要となってくるのでしっかりとした朱肉を選ぶことも大切です。
朱肉の種類は?
朱肉は、中国は宋代のころより使用されており、現在では「練り朱肉」と「スポンジ朱肉」の2種類が一般的に流通しています。
練り朱肉は、落款用や書画用、公用、証券用、一般文書用と様々な種類があり、重金属系の顔料と天然繊維が主な成分で練り固めたものです。
練り朱肉は、ベタベタした朱肉で印鑑につける場合は注意が必要ですが、変色や退色、にじみが少なく、独特の色調と発色があり、重厚な雰囲気を持つ印影を残すことができます。
現在では、落款印や遊印など、書道や絵画の世界で捺印する場合に利用されます。
スポンジ朱肉は、化学物質でできた朱色のインキ状のものを、フェルトやスポンジに染みこませたものを言い、文具店や市販されている朱肉の多くはスポンジ朱肉となります。
現在は、品質やインクの原料も良いものとなり、和紙や登記簿などで使用されている紙にもきれいに印鑑を押すことができます。
また、練り朱肉に比べてインキ状なので、印鑑に朱肉が残りにくく、印鑑のお手入れも比較的簡単です。
印鑑ケースの朱肉は・・・
印鑑ケースには、よくちょっとしたスポンジ朱肉が付いている場合がありますが、これはあまり使わない方がよいと言われています。
一つは、朱肉自体に歴史があるので、迷信めいた話で諸説ありますが、印鑑ケースの朱肉を使うと運気が下がると言うものです。
重要な場で印鑑を使うので、やはり縁起は担ぎたいものですね。
もう一つは、安い印鑑ケースに付いている朱肉はスタンプ塗料の一種で、紫外線などに弱く、長期間経つと変色してしまうという問題があります。
よって、朱肉は別にしっかりとしたものを選んで、持っておいた方がよいでしょう。
印鑑マットの選び方
銀行印などを捺印する際に書類の下に敷く印鑑マットですが、実際のところ、マットを敷かなくても銀行印は捺印できるため、必要性に疑問を感じている人も多いはずです。
しかし、実際に印鑑を捺印する際に、朱肉をしっかりつけていたにも関わらず、印影がかすれてしまったり、印影の朱肉のつき方にムラが生じてしまった経験あるのではないのでしょうか。
印鑑マットは、綺麗に印鑑を捺印するための必需品となります。
マットを書類の下に敷くと、印鑑に伝わる力をマットが柔軟に凹んで吸収し、印面の凹凸に付いた朱肉を書類とよく密着することを手助けしてくれます。
また、印鑑を捺印する際に、力強く印鑑を捺す人を多く見かけますが、印鑑マットを使用すれば強い力も必要なく、朱肉の付きも均等に綺麗鮮明に捺印することができます。
印鑑マットの選び方ですが、主に印鑑マットには革製のものとゴム製のものがあります。
革製のものは、品質によって価格も様々ですが、基本的には会社などで重要な書類を捺印する際など、フォーマルな場面でよく使用されます。
いっぽう、ゴム製の印鑑マットは100円ショップにも売ってあるため、印鑑マットとしては最も一般的で家庭や個人での使用には適しています。
また、印鑑マットがない場合は書類の下に厚めのノートなどを敷くことでも十分代用できます。
そのため、印鑑マットは高級なものもありますが、高級な印鑑マットも100円ショップに売ってある印鑑マットも基本的には機能に差は生じません。
しかし、実際に印鑑マットを使用するときに、フォーマルな場で100円ショップの印鑑マットを使用するのは適さないように、TPOに応じて適切な印鑑マットを選ぶ必要があります。
印鑑マットは、銀行印などの印鑑を捺印する際に、朱肉を均等に書類に付け、印鑑を綺麗に捺印するためには欠かせない商品です。
使用する場面に応じて、それぞれで最適な印鑑マットを選びましょう。