実印とは?実印が必要な場面はいつ?登録できる印鑑とできない印鑑

印鑑登録が必要なはんことその注意点

Supervisor

盛 佳男

株式会社Sirusi

印章通販No.1の会社に15年勤め、一般人から著名人に至るまで累計40万本以上の印鑑を作成。その後独立して2018年に株式会社Sirusiを設立。印鑑にモダンなデザインを取り入れ、自分らしい、自分だけの印しをお持ちいただくべく邁進中です。

宮村尚吾

アクチュアルプルーフ株式会社

代表取締役 他8社役員兼務。複数の企業設立、運営、コンサルティングを担う。現在も印鑑市場のマーケティングに携わるとともに、自身でもユーザー目線の印鑑情報メディアを多数運営中。

実印とは、自分が住んでいる(住民票を置いている)市区町村の役所にて印鑑登録を済ませたハンコのことです。実印を印鑑登録すると印鑑登録証明書(印鑑証明書)が発行できます。

ハンコ屋さんで印鑑を購入するときには、実印用や銀行印用としてハンコが販売されているので、実印用に購入したハンコがそのまま実印として使えると思いがちです。しかしながら、実際には、印鑑登録が完了するまで購入した印鑑を実印として使用することはできません。

実印が必要だと言われたら、必ず役所にて印鑑登録を済ませたハンコを持参するようにしましょう。

まだ実印をお持ちでない方は、なるべく早く実印登録を済ませておくことをおすすめします。と言うのも、実印用の印鑑を作成して印鑑登録するには意外と時間がかかるのです。

以下にご紹介するように、実印は人生における重要な場面で必要になることの多い印鑑。余裕を持って準備しておくことで、いざという時に焦って適当な印鑑で実印登録をせずに済みますよ。

適当な印鑑で印鑑登録をするのは本当に危険なので、くれぐれも100円ショップなどで売っている印鑑を実印として使用することのないようにしてくださいね。

実印が必要になる場面とは?いつ使う印鑑?

印鑑登録を済ませたハンコ「実印」ですが、実印が必要な場面には一体どのようなものがあるのでしょう。

銀行印や認印など他の印鑑と違って、実印は役所に行って印鑑登録をしなければ実印として使用できない印鑑。それだけに、実印が必要になる場面とは、重要な場面であることがほとんどです。具体的に実印が必要になる場面とは以下のようなタイミング。

  • 公正証書の作成・金銭その他貸借証書・契約書
  • 官公庁での諸手続き・恩給・供託
  • 法人の発起人となるとき
  • 不動産取引き
  • 自動車や電話の取引き
  • 保険金や補償金の受領
  • 遺産相続
  • 賃貸契約

このように、公的な書類を作成するときや大金が動く契約など、書類にその人本人が契約したということを公に証明しなければならない場面で実印が必要になります。また、 捺印(押印)した印鑑が本当に実印であることを証明するために、印鑑登録証明書(印鑑証明書)を一緒に提出することがほとんどです。実印と印鑑登録証明書のセットで契約した書類は、最も法的効力が強く覆すことはほぼ不可能です。契約書の内容に問題がないか確認するのはもちろんのこと、実印の使用には十分にご注意ください。

実印は誰でも作ることができる?印鑑登録の注意点とは

重要な契約の際に必要になる実印ですが、誰でも実印を作ることができるわけではありません。

語弊のないように言い直すと、 実印用に印鑑を作るのは自由ですが、そのハンコを役所で実印として印鑑登録できるかどうかはきちんと定められています。せっかく印鑑を購入したのに実印として登録できなかった…ということのないように必ず実印として登録できる印鑑の条件を確認しておきましょう。次の見出しにある条件はぜひご確認ください。実印は既成品ではなく印鑑専門店で作成したハンコで登録するのが間違いありません。

全国で共通しているのは、「実印は1人につき1本まで」ということ。

実印は重要なはんこで、その印影と印鑑登録証明書(印鑑証明書)で本人を確認をするための印鑑ですから、2本も3本も実印があるのはまずいですよね。運転免許証やパスポートなどの本人確認書類と同じように、実印も1人につき1本までしか作ることができません。

それ以外にも 実印を登録できるかどうかにはさまざまなルールがあります。お役所に印鑑登録を行えるのは、届け出る市区町村の住民基本台帳に記録されている人であり、15歳以上であることが条件となります。例えば、地元に住民票を置いたままの大学生や社会人の方は、住民票の住所と現住所が違う場合、住民票が登録してある役所でしか実印を登録することができません。

このように、印鑑登録にはルールがあるので、印鑑登録するときに気をつけるポイントや自分が印鑑登録できるかどうかについて確認しておきましょう。

市区町村役場で登録できる印鑑と登録できない印鑑

もちろん、実印として登録する印鑑はなんでもいいわけではありません。

役所ではそれぞれ、「実印として“登録できない”はんこ」について注意書きをしています。

詳しくはご自身がお住いの地域の役所のホームページを確認していただきたいのですが、一般的には以下のようなはんこは実印として登録できない場合がほとんどです。

<実印として登録できない印鑑>

  • 印面の大きさが一辺8mmから25mmの正方形に収まっていない規格外の印鑑
  • ゴム印など印影が変形しやすいはんこ
  • 印影が不鮮明な印鑑
  • 印影に職業、資格など氏名以外の事項が彫ってあるはんこ
  • 印影に竜紋や唐草模様等の絵柄を加えたハンコ
  • 既に他の人が登録している印鑑

このように、実印として登録できるかどうかには意外と制約が多いのです。

そして、ここで注目していただきたいのが、「既に他の人が登録している印鑑」という項目。実は、冒頭で述べた100円ショップなどで売っている既成のはんこを実印として使用しない方がいい理由がこちら。

100円ショップなどで売っている印鑑は別名「三文判さんもんばん」と呼ばれます。三文判は、多くの場合、彫られている文字が同じであれば印影も同じものとなってしまいます。

つまり、同じ印影の印鑑がたくさん存在する可能性があるということです。

ですので、 100円ショップなどで購入した既成のはんこここでは100円ショップで購入できる数百円の印鑑を強調してますが、数千円で作成するハンコでも同じフォントデザインで機械彫り作成した印鑑は同じ印影になる恐れがあります。近くの印章店で作るときも彫刻方法など印鑑の作成工程を注文前に確認すると良いでしょう。を役所に持って行って印鑑登録をしようと思っても、すでに他の人が登録していた場合、あなたは実印として登録することができず、別の印鑑をもって再度実印の登録に行かなければならなくなります。

登録できないだけならまだいいのですが、あなたが運よく100円ショップのはんこで実印を作れたとしても、あなたの実印と同じ印影のはんこがたくさん存在する可能性が非常に高いです。

重要な契約で必要になる1人1本しか登録することができない実印なのに、他の人が同じ印影のはんこを持っていると考えると非常に恐ろしいです。

そのため、 よっぽどの理由がない限り、安い既成のはんこを実印として使用しないようにしましょう。中学校や高校の卒業記念にいただくハンコも大量生産された三文判、または文字デザインを使いまわしている可能性があります。気になる場合は、ハンコを頂いた学校に問い合わせてみてください。大学生協からの卒業記念印鑑はオリジナルデザインである可能性が高いですが、自分で買ったものではないので、やはり問い合わせておく方が無難です。もしどうしても緊急で実印が必要だという場合は、一時的に三文判で実印登録をして、別日に改めて別のはんこで印鑑登録をしに行くようにしてください。

ここで問題!

Q:親の実印を使って印鑑登録することはできる?

不正解!
たとえ自分の親の実印であっても既に登録されている印鑑を自分の実印として印鑑登録することはできません。

間違ったあなたはここをチェック!

正解!
1人につき1本しか実印登録することはできませんので、自分専用の印鑑を用意しましょう。

続きを読む

不正解!
実はできる場合もあるんです…と言いたいところですが、自分の親族を含め、既に他人が実印登録している印鑑を自分の実印として使用することはできません。もし、すでに印鑑登録の廃止手続きが済んでいる印鑑であればあなたが実印として登録することはできます。

間違ったあなたはここをチェック!


三文判さんもんばんとは

三文判とは、安価な既成のはんこのこと。

二束三文の「三文」と判子(または印判)の「判」で「三文判」。この名前からわかるように、値打ちのない非常に安い出来合いのはんこのことを指します。

最近では、はんこ屋さんや文房具屋さん、ホームセンターや100円ショップなど様々な場所で見かけるはんこですが、 三文判は大量生産された同型のはんこですので、すべて同じ印影である可能性が非常に高いです。三文判は既製の同形デザインで作られていますが、その他にも他人用に作られたデザインを使いまわしているケースもあります。三文判かオリジナルのハンコか分からない場合は、必ず購入店でお確かめください。

もちろん、実印や銀行印として登録できることもありますが、印影を照会して本人確認をする実印や銀行印として、同じ印影が存在する可能性のあるはんこを使用するのは不適切です。

認印としてや緊急時には非常に便利なはんこですが、実印や銀行印など重要な印鑑に使用するのは避けるようにしましょう。

三文判とは?メリット・デメリットと正しい使い方

印鑑証明書の発行申請・取得手続きの方法

印鑑証明書の発行申請に必要なもの

印鑑登録証明書の発行に必要な持ち物は以下の3または4点です。

  1. 印鑑登録証または印鑑登録カード
  2. 手数料(300円程度)
  3. 印鑑登録証明書交付申請書
  4. 住基カードまたはマイナンバーカード(コンビニの場合)

印鑑登録証明書交付申請書は役所の公式サイトから申請書をダウンロード・印刷してあらかじめ記入を済ませておくと当日の流れがスムーズになるのでおすすめです。

印鑑証明書の取得が可能な場所と手続きの流れ

印鑑登録証明書を発行できる場所は主に以下の3か所です。

  • 住民登録をしている市区町村の役所
  • 役所の出張所、証明書交付センター
  • コンビニエンスストア

出張先や旅行先など、住民登録をしている市区町村以外の場所では印鑑登録証明書の発行は行えません。
また、マイナンバーカードまたは住民基本台帳カードがあればコンビニで印鑑登録証明書の発行が行える地域もあります。

住民登録をした市区町村の役所で印鑑証明書を取得する

  1. 前述した持ち物を用意し、住民登録および実印登録をしてある市区町村の役所へ行きます。
  2. 印鑑登録証明書交付申請書が未記入の場合は役所内にある用紙を受け取り記入します。
  3. 印鑑登録証(印鑑登録カード)・印鑑登録証明書交付申請書を合わせて窓口へ提出。(必要があれば本人確認書類も)
  4. 印鑑登録証明書が発行されたら手数料を支払って終了となります。

自治体の自動交付機で印鑑証明書を発行する

  1. 暗証番号が設定された印鑑登録カードを用意し、市内の自動交付機が設置された施設へ行きます。
  2. 自動交付機に印鑑登録カードを差し込み、暗証番号を入力します。(3回間違えると発行できない場合があるので注意)
  3. 印鑑登録証明書が発行されたら手数料を支払って終了となります。

コンビニで印鑑証明書を発行する

  1. 店内に設置されているキオスク端末(マルチコピー機)の画面に表示されている「行政サービス」ボタンをタッチします。
  2. 利用に際しての同意事項が表示されるので、「同意する」をタッチします。
  3. メニューから「証明書交付サービス」をタッチします。
  4. キオスク端末(マルチコピー機)の所定のカード置き場にマイナンバーカード(または住基カード)を置きます。
  5. 「お住まいの市区町村の証明書」をタッチします。
  6. マイナンバーカード(または住基カード)の暗証番号を入力します。
  7. マイナンバーカード(または住基カード)を取り外します。
  8. 証明書の種類が表示されるので、「印鑑登録証明書」をタッチします。
  9. 必要な部数を入力します。
  10. 発行内容を確認し、手数料を入金します。
  11. 印鑑登録証明書が指定した部数だけ印刷されるので、取り出して完了です。
  12. 領収書が印刷されるのでこちらも受け取りましょう。

取得した印鑑証明書には基本的に有効期限はありません。ただし、契約相手によっては、「直近3ヶ月以内に発行された印鑑証明書」と指定される場合もあります。

また、不必要に印鑑証明書を持っていると管理上リスクが高まるので、必要に応じてその都度取得するようにしたほうが良いでしょう。

印鑑証明書とは?発行申請・取得手続き

Logg-in.com編集部まとめ

【実印とは…】

  • 住民基本台帳(住民票)に記録さた名前で作成し、役所で印鑑登録を済ませたハンコ
  • 公的な書類や大金が動く契約(車や不動産の購入)などで必要となる
  • 15歳以上の方が1人1本のみ登録可能
  • 登録できる印鑑には様々な規定があるため、市販の既成の印鑑ではなく、印鑑専門店で作成する
  • 印鑑の中で「実印+印鑑登録証明書」の組み合わせが最も効力が強い
  • シャチハタは登録不可、三文判は実印として不適切で登録できないことがある

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