法人の銀行印
法人の銀行印は、会社が預金の支払いや手形・小切手に押印するため、銀行に届け出る会社の印鑑です。
会社の金銭を動かす時に使う重要な印鑑なので、個人の銀行印と同じく、印影の悪用などのリスクヘッジから実印とは分けて作成し、持っていた方がよいでしょう。
法人銀行印は、実印と区別するために、一回り小さいサイズで作ることが一般的となっています。
法人印鑑の形状には、一般的な「寸胴タイプ」と法人印として定番の「天丸タイプ」の2種類があります。
寸胴タイプは、一般的な棒型で、収納できるケースが豊富にあり、天丸タイプよりお求めやすい価格となっているので、近年人気が高まっています。
天丸タイプは、手に馴染みやすい瓢箪型で、昔から法人印の定番として広く好まれているタイプです。
形状タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
寸胴タイプ | ・加工が容易で価格が安い | ・アタリがない印鑑が多い |
・キャップ不具合の問題がない | ・見た目に風格がない | |
天丸タイプ | ・見た目の風格が法人印に最適 | ・形状が独特で価格が割高 |
・キャップがあるので印面に傷がつきにくい | ・温度・湿度でキャップが取れなくなることも |
法人銀行印のサイズや書体は?
法人銀行印の印影は、円形の印鑑を外周と内周に分けて、外周には正式な会社名や屋号を、内周には「代表取締役印」などと銀行之印が入り、縦に2列で彫るのが一般的となっています。
代表的な書体としては、篆書体(てんしょ)、印相体(いんそう)、古印体(こいん)などがあります。
篆書体、印相体の方が人気があり、こちらで作る場合がほとんどで、稀に古印体で作る場合もあります。
サイズとしては、個人の銀行印と同様に印鑑の使用ミスなどを防ぐため、法人実印(代表者印)や認印とサイズを変えて作成する場合が多く、16.5㎜~21.0㎜が一般的なサイズとなっていますが、法人実印との兼ね合いで、16.5㎜が多いです。
篆書体とは
篆書体とは、元々は中国から伝わった書体で、歴史が古く様々なハンコ書体のベースとなっている書体です。
篆書体の特徴として、線が一定の太さで引かれており、威厳と風格のある書体として知られています。
また、歴史的な文字であるため可読性が低く、読みにくいため、偽造されるリスクが少なく、セキュリティー性も高いことから、会社のような法人用の銀行印として適性があるのはもちろんのこと、個人用の実印や銀行印にもよく用いられる書体になります。
加えて、日本銀行券やパスポートに捺印されている印鑑の書体としても用いられているため、古くから馴染みがあり、印鑑の書体としては最も一般的であるということができます。
そのためフォーマルな場面にも適することから、会社用や法人用の銀行印の書体としても最適です。
印相体とは
印相体とは、江戸時代に篆書体をベースにアレンジされて生まれた書体で、独特の雰囲気を持つ書体のため、会社用や法人用の銀行印としても適しています。
印相体の特徴として、篆書体をベースにアレンジしているため、篆書体よりも複雑な見た目をしており、可読性が低く、読みにくく、偽造されるリスクも低いため、防犯性にも非常に優れています。
また、文字が中心から外へ外へと広がっていくような流れを生み出していることから、別名、八方篆書体や吉相体とも呼ばれており、縁起のいい開運効果のある書体としても知られているため、法人用の銀行印の書体としてもオススメです。
加えて、周りの枠と接する部分も多いため、印面が欠けにくい書体としても知られています。
印相体は、篆書体と並び、銀行印の書体として非常に人気のある書体で、堂々とした力強さを持っています。
法人銀行印の印材は?
法人銀行印の印材は、特に材質として制限はないですが、ゴムや浸透印など変形しやすい印材は破損や劣化しやすいため認められない場合が多く、おすすめできません。
象牙や黒水牛など動物の牙や角を素材としたものが、丈夫で耐久性が高く、印影も良いため人気があります。
また、植物系の印材の柘(つげ)なども、繊維が緻密できわめて硬く、繊細な彫刻に向いており、長く使うと独特の風合いも増してくるので、人気があります。
さらに近年は、象牙と同様の耐久性と印影の美しさを誇るチタンも注目が高まっており、高級印材としての地位を確立しています。
法人印は長期間の使用が予想されるため、耐久性に優れた印材で作成するのが一番ですが、他にも契約の際など人前で押印する場面が多いため見た目も重視されます。
したがって、象牙、黒水牛、チタンといった素材が重厚感と品があり、法人用の印鑑にも最適です。
法人印にアルファベットは使える?
最近は、グローバル化の影響もあり、外資系企業が増えたりしたことで、会社名がアルファベットの法人も多く見られるようになりました。
以前は、会社名がアルファベットの場合は、アルファベットのまま法人印として登録することができず、カタカナに変換してからでないと登録できませんでした。
しかし、グローバル化が進んだことも背景にあり、2002年からは会社名にアルファベットが含まれている法人でも、アルファベットのまま法人印として登録することが可能になりました。
個人用の印鑑を外国人が作成する際には、外国人登録している名前しか入れることができないため、カタカナで印鑑を作ることができなかったりしますが、法人印の場合は基本的に「ひらがな」「カタカナ」「アルファベット」どれでも登録できます。
ただし、ルール上はなんでもいいかもしれませんが注意は必要です。
会社印や法人用の銀行印は、会社を運営して行く上では、重要な役割を担うことになります。
銀行印は会社のお金の出し入れ・管理する上で欠かせないものであり、会社印は他者と取引をする際やクライアントとの契約、法的手続きをする際に必要な印鑑です。
なお、会社名をアルファベットのまま印鑑に入れることは可能ですが、アルファベット表記の場合は文字数が多くなってしまうこともあります。
文字数が多すぎて見苦しくなってしまうこともありますので、その場合は文字を省略したりする工夫が必要です。
また、アルファベットで法人用の銀行印・会社印を作成する際にオススメの書体は、古印体と筆記体です。
古印体はふっくらした印象で、オシャレに見せることができます。
いっぽう筆記体は、馴染み深いものですが、会社印をかっこよく見せることができるため、アルファベットで会社印を作る際にはオススメです。
さらに、会社印を作る際には一目で会社名がわかるようにすることを心がけましょう。
会社名がアルファベットだと、なんだかオシャレで凝ったデザインにしてかっこよくしたい気持ちもわかりますが、会社印は他社との取引・契約をする際に用いる大事な印鑑なので、相手に不快な思いを持たせないように配慮することも必要です。
法人印はセットで購入するのがおすすめ
起業や開業に伴い法人で銀行印を作成する際は、代表者印と角印を合わせた3点セットで依頼するほうが料金も安くおすすめです。
セットで購入すれば印鑑3本をまとめて保管できるケースが付属でついてくるため、印鑑の管理・保管にも便利なメリットがあります。
また、法人印の3点セットはキャンペーンの対象となることが多く、通常よりもおトクに作成できる機会が多いので、銀行印を作成する際は他の印鑑も一緒に作成してしまうと良いでしょう。
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